現在、超高齢化のすすむ日本ではアルツハイマー病にかかる人が増加しています。アルツハイマー病は発症する25~30年前からすでに脳の中では異変が始まっているのです。でも逆に言えば発症するまでの長い年月の間に手を打つことで発症を抑えたり遅らせたりできるということです。
そもそもアルツハイマー病の原因はアミロイドβというゴミのようなものが蓄積することですが、同時に脳内の微小血管に障害が起きることで発症します。この2つが揃って発症するのです。アミロイドβが溜まらないように排出させること、いかに血管を若々しく保つかが大事だという事です。では、何をすればいいのでしょうか。私達が日常生活で取り入れられることで現在、有効と言われるのは以下のようになります。
1.昔ながらの日本食。特に米・味噌・魚・緑黄色野菜・海藻・漬物・緑茶・きのこ・大豆と大豆製品・コーヒー
2.適度な運動と生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)の治療。特に糖尿病の管理が重要。女性は血糖値の上昇によって受ける影響が大、との事。
3.アルツハイマー病の前段階(軽度認知障害MCI)では過度のアルコール摂取や難聴は悪化を早めることが判明。MCIの段階では正常域に戻ることも可能なので是非、適度なアルコール摂取と難聴を放置しないことを心掛ける。
50歳を過ぎた頃から取り組むことが勧められています。残念ながら発症した時にはすでに神経細胞は変性しており病態を改善するのは大変です。血管を元気に保つことは血流と大いに関係があり、末梢の細い血管までしっかり血流を保持することが大事です。漢方薬にはもともと「活血」という考えがあります。漢方薬にも期待できることがたくさんありそうです。