6月25日~27日まで京都国際会館にて日本抗加齢医学会総会が開催されました。コロナ禍においても徹底した感染対策をして多数の方が会場に参加されました。数多くの興味深い発表の中から毎日の生活に直結している事柄で印象深かったものをいくつか紹介していきたいと思います。
まず、表題にあるように最近、虫歯菌や歯周病菌が病気の原因になることがわかってきました。特に気になるアルツハイマー病においては歯周病菌が脳の海馬に住み着いて引き起こしているとのこと。アルツハイマー病では、アミロイドβというゴミのようなものが溜まってしまうのですが、そこにこの歯周病菌が分泌するタンパク質も溜まっていたというのです。つまり歯周病菌は血液に乗って脳までたどりつきそこで悪さをするのです。歯周病菌は歯と歯茎の間の歯周ポケットという空気も栄養もないところに潜んでいます。
糖尿病についても歯周病を治療すると改善するという事実が判明しています。どうやら歯周病というのは常に傷口が開いたままの状態、つまり口の中の小さな炎症であり、この炎症が継続していることが全身に影響して糖尿病が悪化するというのです。漢方薬でも口内炎や舌炎といった炎症を改善することはできます。
とにかく、ブラッシングやフロスを使って歯と歯肉をきれいにすることが重大な病気の予防に直結することは間違いないようです。